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崖の上のポニョ観ました

コレまでのジブリ映画(宮崎作品)のような脚本~説明描写過多等・制作の上でストーリーや現実における物質的なリアルさ緻密さを追い求めるエゴは薄まり~ざっくばらんとした「駿自身のエゴ」が全開の作品だったとおもいます//洗練された巧みな懐石料理が→柔らかで甘めで豊かな味の沖縄料理になったような印象・でももちろん調理する人=総料理長は宮崎駿であることに変わりはありません



前作「ハウルの動く城」は素晴らしい作品でした~物質描写+感情描写的にとてつもなく情報量が増えた事で混沌と入り乱れる物語と照らし合わせて、出来る限り無駄な説明を省略し、高速に展開する様は痛快そのもので「観て(から)考える」を超えた「同時に体感」と言い表せるようなシンクロ率でストーリーもいう事なしの快作でした!!



「もののけ姫」で既に飽和してしまったかとおもわれた複雑な登場人物の相関関係なども含め~作品として素晴らしい出来でした・・が・・1997年の個人的視点では正直もう一歩踏み込んで表現して欲しい部分もありました・・・//しかし!次作「千と千尋の神隠し」で極ファンタジー指向になるも、それまでの宮崎作品で立証済みの誰もが感情移入しやすい子供の視線レベルの描写と描き込みの緻密さもうまく混ざり溶け合い~「Uことなしの最高傑作!!」として世界に認められたのです/「千と千尋の神隠し」で世界に認知されたことで→「ハウルの動く城」では演出として現実的な情報だけでは描き切ることが出来ない部分を精神世界レベルまでもむさぼっての暗黙描写多数!感情移入シンクロ率MAXの作品で超崇高な領域まで到達した駿さん・「ハウルの動く城」は最後の作品として残す為がゆえの気合の入れようでした/!/が/!/しかし「ゲド戦記」の出来の悲惨さに憤慨した宮崎さんは自作ではないにしても~ジブリから排出してしまったやりきれない気持ちとおとしまえをつけるために<駿・復活!>=「崖の上のポニョ」制作となったのだとおもいます



「ハウル」から引き続く説明省略系の脚本にさらに輪をかけたような無鉄砲な展開は、もう既に精神を開放しきった駿自身をみるようでもあります/「人魚姫」のお話ですが・・駿風に砕けるだけ砕いた歯ごたえギリギリのユルユル離乳食的表現ではないでしょうか?「神経症と不安の時代へ向けた」と公言していますが・・・不況~環境問題など・・今現在の世界が抱えている問題に対して何も疑問も抱くことなく、馴れ合いで過ごしてillだけのほとんどの国民~未発達で無責任な幼い意識でよしとするゾンビたちへの人間回帰(進化)するための活性剤(離乳食)aka警告なのかもしれません

具体的な場面など・・不思議だとおもわなければそのままスルーしてしまう箇所はたくさんあります、というか全編に異様な雰囲気で秩序が壊れていく様子が描かれていますが~何の説明もなくどんどん現実がブチ壊れていく様子はLSDで色々なルールが崩壊していき自分だけの特異世界が出現していくトリップ感と近いのでしょうか?観念を超えたとても巨大な精神世界の羊水の中で起こる日常・きわめて宇宙的な発想の中でのたった5秒の出来事・・・程にしか感じさせないあっけらかんとした雰囲気が最高で大好きです!!細かい内容はもうどうでもいいです・・・観る人によって幾重にも意味が変わってくるお話であるともおもいます・未観の方は是非とも観て感じてください!



個人的にはお話1/3あたりの人間になったポニョが宗介と再会するシーンで既に満悦+感涙しました
傍にいる親を差し置いて濃密過ぎる抱擁をおっぱじめる5歳児2人のからみが完璧すぎてwwwwwwwU事なしでした!!
でも実はこのシーンから物語が異常世界へと加速し始めるスイッチになってるのかもしれません・・・



*本日のチャンプルー*
ゴーヤチャンプルー

スパムではなく豚肉ですが出汁が効いていて程よい甘さで豊かな味わいでした、決め手はもちろん島胡椒(ヒバーチ)~泡盛とセットで南国モードになれました