◤カスケード/Kaskade新作アルバム「Atmosphere」リリース!◢ -これから訪れるディープ・ミュージック隆盛予測など- Deadmau5,Disclosure,,,

9/12/2013 OGAWA HIROSHI 0 Comments



Kaskadeの新作アルバム「Atmosphere」がリリースされました。

2003年アメリカのOM Recordsから「It's You It's Me」という素晴らしいアルバムをリリースして世界中を驚かせました。当時のリリース元のOM Recordsはアメリカ西海岸のディープハウスやチルアウト系のレーベルでした。翌年リリースの「In The Moment」も素晴らしい作品でした。

ディープハウスや2ステップといった様々なジャンル横断〜R&B的楽曲やジャズコード〜巧みなストリングス使いなど、当時はU.K.かどこかEU圏のアーティストではないかと勘違いする程に幅広い音楽性とスタイルは当時とても新しい音楽でした。個人的にもかなり影響を受けたアーティストです。

心を締め付ける様な独特の'泣きメロディ'や曲展開における'静と動'の間の取り方の絶妙さなど、どこをとっても申し分ない音楽性です。

一時期、日本でも「乙女ハウス」とかいうジャンルの枠組みに入っていた事もあります。西海岸系のツルっとしたプラスティックっぽい質感の音色にR&B的な歌が乗るという流行もありましたが、Kaskadeにとってはこの時期が最も迷走している時期ではないかと思います。

その後もEUトランス勢との絡みなど更に様々な音楽性を吸収/同化していきますが、決定的な転機/復活劇としてはやはりDeadmau5との共作「I Remember」からです。



同時にリリースされた「Move For Me」も素晴らしい楽曲で、これらのリリースはアメリカにプロフレッシヴ・ハウスが本格的に流入するきっかけとなった出来事に間違いありません。それ以降アメリカでも至る所でトランス〜プログレ系のレイヴが行われていたようです。


-Kaskade & deadmau5 - Move For Me (OFFICIAL VIDEO)-


Deadmau5との絡み以降のアルバム「Dynasty」で本線に完全復帰してくれたKaskadeに昔からのファンは歓喜したのではないでしょうか?事実〜この作品の内容は彼が示す力強い決意と、本来のチャレンジ精神旺盛な新次元を模索する勢いや創造性をガッツリと封印する事が出来ています。

2011年リリースの「Fire & Ice」は収録の1曲づつをダンスバージョンとチルアウトバージョンの2パターンのトラックを作成〜文字通り「興奮と鎮静」の両局面の世界観を創造しました。エレクトロニカ〜アンビエント〜ジャズ〜クラシック〜エレクトロ〜トランス〜ディープハウス、、、ありとあらゆる音楽を変幻自在に操り独特のカスケード・ワールドに仕立て上げる職人技には脱帽です。


-Kaskade feat. Skylar Grey - Room For Happiness (Fire) (Official Video)-



そして、最新作の「Atmosphere」は素晴らしい作品です。



表題曲の「Atmosphere」ではKasakade自身がヴォーカルを務めました。現在〜過去〜未来に至る、新たなる彼の決意や信念を歌詞から感じ取る事が出来ます。

「静かに緩やかに、でも力強く」

といった、Kaskade/カスケードという人間性そのままをさらけ出した楽曲ではないかと思います。

他の楽曲に関しても静と動のバランスが素晴らしい楽曲で、「決定的に流行り廃りの音楽性」である現在のEDMとは完全に距離を置いた内容となっています。

EDMシーンの渦中に居ながらにしてこれだけのテンションで別次元をさらっと醸し出す天才的な器用さには驚愕です。(EDMフェスなどのDJ時には自作のマッシュアップものやセルフ・リミックス曲で観客をロックしていましたね。)



2nd Summer Of Loveの頃と同様にハードコア/ハードスタイルな音楽性に上り詰めた現在のEDMダンスフロアは〜既に飽和が始まっているのだと感じます。これ以上のハードさは存在しない程に〜ダブステップやエレクトロの音色と音楽性は進化しました。

カスケードもそうですがDeadmau5にしてもAviciiにしてもディープスタイルが自らの起源/要素であるアーティストは、今後訪れる「EDMカウンターとしてのディープミュージック」にいち早くシフトしているように見受けます。

最新音楽の発信地U.K.では既にDisclosureなどの次世代ディープミュージック/New School Deep Houseが流行し、EDM以降の(カウンター)音楽として機能しているのではないかと感じます。

エレクトロニカが流行した頃のような〜静かな強かさと未来を見据える絶対的な信念が、今後最も重要な鍵になりそうです。

現在のWebにおける精神同期の感覚は〜24時間フルオンでネットゲームをしている様な感覚で常に世界中のアーティストの意識がシンクロしているようにも感じます。Aviciiが行ったAVICIIXYOU的なコラボレーションが、今後はアーティスト間で頻繁に行われて音楽進化のスピードも更に加速して行くのではないかと予測します。



著者:小川裕史 (OGAWA)

-プロフィール-
ダンスミュージックを中心にあらゆる音楽を作っています。映画のサントラやJ-POPプロデュースなど、勿論DJもやります。2011年に黒木メイサさんのダブステップremix曲を制作させて頂き、いち早くEDMなど最新音楽を取り入れています。現在はアルバムを製作中です。

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Atmosphere
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